こんにちは。オートパーツらぼ、運営者のKAZUYAです。
愛車で家族とドライブに出かける際、もしものパンクに備えておきたいと思うのはドライバーとして当然のことですよね。
しかし最近の車事情では、アルファードにスペアタイヤがないケースが標準となっており、いざという時にどこにあるのか不安に感じる方も少なくありません。
実際に読者の方からも、アルファードのスペアタイヤの場所が分からないというご相談や、出先でのアルファードのスペアタイヤの外し方に戸惑ってしまうといったお悩みをよくいただきます。
また、世代ごとの違いも気になるところで、アルファードの30系後期のスペアタイヤの場所や、アルファード20系のスペアタイヤの仕様について詳しく知りたいという声もたくさん届いています。
さらに最新モデルへの乗り換えを検討されている方からは、40系アルファードのスペアタイヤ事情がどう変わったのか、アルファードのスペアタイヤのサイズや、アルファードのスペアタイヤの値段について情報を探しているという声も急増しています。
もしもの備えとしてご自身でアルファードのスペアタイヤ交換を検討している方にとって、これらの情報はまさに死活問題になってきます。
なお、ご自身でタイヤ交換を行う予定の方は、ホイールナットの規定トルクや30系・40系で異なる締結方式についても理解しておくことが大切です。
詳しくはアルファードのホイール締め付けトルク完全ガイドで詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
そして何より驚かれるのが、アルファードのスペアタイヤのリセールへの影響や、アルファードの40系スペアタイヤとリセールの関係性です。
実はこれが、車を賢く所有して将来高く売却する上で絶対に無視できない重要なポイントになっているんです。
この記事では、そんな皆さんの疑問や不安をスッキリと解消し、より豊かで安心なカーライフを送れるよう、持てる知識をすべてお伝えしていきます。
・各世代におけるスペアタイヤの格納場所と初心者でもわかる正しい外し方
・40系で起きた仕様変更の罠とユニバーサルステップとの意外な関係性
・リセールバリューに与える絶大な影響と安全に後付けするための必須条件
アルファードのスペアタイヤが必要とされる理由
まずは、なぜ現代のアルファードにおいてスペアタイヤがこれほどまでに注目され、そして必要とされているのか、その根本的な理由から紐解いていきたいと思います。
時代の流れとともに車の装備は大きく変化していますが、いざという時の安心感という点において、物理的なタイヤに勝るものはありません。
・アルファードのスペアタイヤの場所はどこにあるか
・30系後期や20系で異なるスペアタイヤの格納位置
・トラブル時に困らないスペアタイヤの外し方と交換
・20系と30系で共通するスペアタイヤのサイズと値段
標準装備にスペアタイヤがない背景とパンク修理キット
一昔前の車には、トランクを開ければ必ずと言っていいほどスペアタイヤ(応急用のテンパータイヤ)が積まれていましたよね。
しかし、現在新車で販売されている大半の車、もちろんアルファードも含めて、スペアタイヤは標準装備から外され、代わりに「タイヤパンク応急修理キット」が積まれるようになっています。
これには、自動車業界全体が直面している環境規制の強化と、それに伴う「燃費向上(CAFE方式などの企業平均燃費基準)」という大きな背景があります。
車を少しでも軽くして燃費を良くするため、メーカーは徹底的な軽量化と省スペース化を進めてきました。スペアタイヤと、それを固定するための金具一式を合わせると、なんと総重量で10キログラムを超えてしまうんです。
これを常に積んで走るということは、車のバネ上重量を増やし、燃費を常に悪化させる原因になってしまいます。
また、法制度面でもスペアタイヤの搭載義務はすでに撤廃されており、車検の項目からも外れているため(出典:e-Gov法令検索『道路運送車両の保安基準』)、メーカーがあえて標準装備にする理由がなくなってしまったわけですね。

スペアタイヤが標準装備から廃止された理由【オートパーツらぼ・イメージ】
標準装備されているパンク応急修理キットは、エアコンプレッサーと特殊な液状リペア剤を使って、一時的にパンク穴を塞ぎながら空気を充填する仕組みです。
トランクの床下にスッキリ収まる絶大なメリットがある一方で、実用面ではかなり厳しい限界があるんです。
| 比較項目 | パンク応急修理キット | スペアタイヤ(テンパータイヤ) |
|---|---|---|
| 対応可能な損傷 | トレッド面(接地部)に刺さった直径約4mm以下の軽微な穴のみ。 | 車輪自体を交換するため、タイヤの損傷状態(バースト等)を問わず対応可能。 |
| 対応不可能な事象 | 側面の裂け、バースト、複数箇所の穴、ホイール自体の損傷。 | 特になし(サスペンション等の車両側が破壊されていない限り)。 |
| 修理後の再利用 | 液状リペア剤が内部のゴムを痛めるため、原則再利用不可(完全交換)。 | 損傷が軽微なら、安価な修理(裏当てパッチ等)で継続使用が可能。 |
| ホイールへの影響 | リペア剤がホイール内側に強固に付着。徹底的な洗浄作業と費用が発生。 | 薬剤を使わないため、ホイールへの悪影響や洗浄の手間は一切なし。 |
| 維持・管理コスト | 補修液には使用期限があり、数年ごとの定期的な買い替え(数千円〜)が必須。 | ゴムの経年劣化はあるものの、定期的な買い替えコストは低い。 |
アルファードのように車両重量が2トンを超える大型のミニバンだと、ちょっと縁石に乗り上げたり、キャッツアイを踏んでしまったりしただけでも、タイヤの側面(サイドウォール)を傷つけたり、重度のバーストを引き起こすリスクが他の車より高い傾向にあります。
こういった致命的なダメージに対して、パンク修理キットは全くの無力なんです。路上で立ち往生し、レッカーを呼ぶしかなくなってしまいます。
さらに、修理キットを使ってしまうと、後日タイヤを新品に交換しなければならないだけでなく、ホイールにこびりついた薬剤の特殊洗浄という思わぬ高額費用が発生してしまいます。
一方、スペアタイヤに付け替えて自走できれば、元のタイヤを数千円で修理して使い続けられる可能性も残ります。
この「いざという時の確実性」と「事後処理のコスト」を考えると、スペアタイヤの優位性は圧倒的だと言えますね。

パンク修理キットの限界とスペアタイヤの優位性【オートパーツらぼ・イメージ】
アルファードのスペアタイヤの場所はどこにあるか
さて、「じゃあ自分のアルファードにはスペアタイヤが積んであるのか?」と気になった方が真っ先に探すのが格納場所ですよね。
普段生活している中で、車の床下をマジマジと見る機会なんてそうそうないと思います。
歴代のアルファードを通じて、スペアタイヤが装備されている場合の定位置は、一貫して「ラゲッジルーム(トランク)の床下」に設計されています。
車内にポンと置かれているわけではなく、車の外側、つまり地面に向かって吊り下げられるような形で固定されているんです。
そのため、トランクを開けてもタイヤそのものは見えません。
スペアタイヤの有無を確認するには、車の後ろに回って、リアバンパーの下から覗き込んでみてください。
そこに黒いタイヤがワイヤーや金具で吊り下げられていれば、あなたの車にはスペアタイヤが装備されている証拠です。
もしそこが空洞になっていて、マフラーのタイコ部分しか見えないようであれば、パンク修理キットのみが積載されている仕様ということになります。
30系後期や20系で異なるスペアタイヤの格納位置
スペアタイヤ本体の場所は床下外側で共通していますが、それを下ろすための機構にアクセスする場所や、車載工具の格納位置は、20系と30系(前期・後期)で少し異なっています。
ここを知っておかないと、いざという時にパニックになってしまうかもれません。
まず、スペアタイヤを固定しているボルト(これを緩めてタイヤを下ろします)へのアクセス方法です。
20系でも30系でも、サードシート後方のラゲージボード(カーペット)をめくり、樹脂製のラゲージアンダートレイを取り外すことで、床面に露出している固定ボルトにアクセスできるようになっています。
・20系アルファード:
ラゲッジルーム左側の壁面(テールランプの裏側付近)にパネルがあり、その内張りをパカッと外した内部にジャッキやレンチが格納されています。
・30系アルファード(前期・後期):
床下のラゲージアンダートレイの中、パンク修理キットの収納スペースの後方などに、バンドでしっかりと固定されています。
特に30系後期にお乗りの方は、床下のトレイを開けると色々な収納スペースが細かく分かれているため、「あれ?工具はどこ?」と迷ってしまうことが多いようです。
普段から一度ご自身の車を開けてみて、どこに何が入っているかを確認しておくことを強くおすすめしますよ。
トラブル時に困らないスペアタイヤの外し方と交換
いざパンクしてしまった時、スペアタイヤの外し方を知らないと本当に途方に暮れてしまいます。
アルファードのスペアタイヤを下ろす仕組みは、初見の方には少し難解な「からくり構造」になっているんです。ここでは、安全かつ確実に交換するための手順を解説していきますね。
ステップ1:スペアタイヤを床下から下ろす
まずはトランクを開け、床下のトレイを外して固定ボルトを露出させます。
車載のホイールナットレンチの端をこのボルトに適合させ、反時計回りに回して緩めていきます。
ここで注意していただきたいのが、ボルトを完全に外し切らないことです。ボルトを緩めていくと、車体床下に吊り下げられているスペアタイヤの格納具(ワイヤーやブラケット)が徐々に地面に向かって降りていきます。
格納具がフックから外せる程度まで緩めるのが正しい手順ですよ。

アルファードのスペアタイヤ格納場所と下ろし方【オートパーツらぼ・イメージ】
ステップ2:車外からフックを外して引き出す
タイヤが地面近くまで降りたら、車外に回り込んでバンパーの下を覗き込みます。黄色い目印がついた引っ掛け部分(フック)がありますので、これを少し上方に持ち上げて解除します。
これで初めて、スペアタイヤ本体を車の後ろに引き出すことができます。
暗闇や雨の中だとこのフックが見えにくいので、スマホのライトなどを活用してくださいね。
ステップ3:ジャッキアップとタイヤ交換の注意点
タイヤ交換作業は、アルファードの巨大な車体を支えるため、細心の注意が必要です。
ジャッキアップポイント(切り欠き位置)は、サイドシル直下の強固な補強リブの部分にあります。
取扱説明書で必ず正しい位置を確認してください。
タイヤが地面に接地している状態で、ホイールナットの初期緩め(仮緩め)を行ってください。
ジャッキで車体を持ち上げた後にナットを完全に取り外し、スペアタイヤを装着して手回しで仮締めします。
その後、ジャッキをゆっくり降ろし、星を描くような順序(対角線順)で均等に規定トルクまで本締めを行えば完了です。
ステップ4:パンクしたタイヤの持ち帰り方
実はここが意外な盲点なのですが、取り外した標準の巨大なアルミホイール付きタイヤ(17インチから20インチ)は、元々スペアタイヤが吊り下げられていた床下スペースには絶対に収まりません。
泥や油でドロドロに汚れたパンクタイヤは、ラゲッジルームの室内空間(サードシート付近)に直接積んで持ち帰るしかありません。
万が一の時のために、大きめの汚れ防止用レジャーシートや厚手のビニール袋を車に積んでおくと、車内を汚さずに済むので安心かなと思います。
20系と30系で共通するスペアタイヤのサイズと値段
中古でアルファードを購入された方や、新車時にオプションを付け忘れた方から、「これからスペアタイヤを入手したいけど、サイズや値段はどうなっているの?」というご質問をよく受けます。
結論から言うと、20系と30系(前期・後期)のアルファード間においては、スペアタイヤの部品流用(互換性)が可能です。
採用されている応急用タイヤのサイズは主に「T155/80D17」で、ホイールの規格は「17インチ 4T 5穴 PCD114.3 +40」となっています。
この「PCD114.3mm」というのは、トヨタ車における伝統的かつ標準的な規格なんですね。ガソリン車とハイブリッド車で搭載されるバッテリーの位置に違いはありますが、スペアタイヤ自体の規格は共通しています。
気になるお値段についてですが、新車注文時のメーカーオプション価格としては、約10,800円から14,300円という価格帯で設定されていました。
後から手に入れようとする場合、中古部品市場(ヤフオクやメルカリ、中古パーツ店など)を探すことになります。
20系・30系は流通量が比較的豊富なので、タイヤの溝の状態やホイールのサビ具合にもよりますが、概ね15,000円から25,000円前後の相場感で安定して取引されています。
新品の安心感には敵いませんが、あくまで応急用と割り切れば、中古で揃えるのも賢い選択肢の一つですよ。
ただし、年式が古すぎるタイヤはゴムが劣化してバーストの危険があるため、製造年月(シリアル記号)は必ずチェックしてくださいね。

20系・30系アルファードのスペアタイヤ互換性と中古相場【オートパーツらぼ・イメージ】
また、純正ホイールを流用してスペアタイヤやスタッドレスを準備したい方は、適合サイズや注意点をまとめた30アルファード純正ホイール流用ガイド!サイズと注意点を解説も参考になります。
アルファードのスペアタイヤが持つリセール価値
ここからは、実用面のお話から一転して「お金」にまつわるディープな世界に入っていきます。
アルファードの市場においては、他の一般的な乗用車とは全く異なる特異な現象が起きています。
それが「リセールバリュー(再販価値)を目的としたスペアタイヤ需要」です。このメカニズムを知ると、なぜ皆がこぞってスペアタイヤを求めるのかがはっきりと分かりますよ。
・ユニバーサルステップと同時装着できない仕様の制限
・海外輸出とアルファードのスペアタイヤのリセール関係
・ディーラーオプション非選択時の後付け方法と注意点
・車内で固定しない簡易積載がもたらす安全上のリスク
・まとめ:アルファードのスペアタイヤがもたらす価値
40系アルファードのスペアタイヤにおける大きな変更
2023年に華々しくデビューした新型の40系アルファード。
ボディ剛性が大幅に向上し、ハイブリッドシステムの高出力化など、中身は完全に別物へと進化しました。このプラットフォームの刷新に伴い、足回りの根本設計も大きく変更されました。
そして、これが中古市場に大混乱をもたらす引き金になったんです。
最大の変更点は、ホイールを固定するハブボルトの大径化(従来のM12からM14へ)と、PCDの変更(114.3mmから120mmへ)です。
車両重量の増加とタイヤの大径化に対応し、より高い締結力を確保するための技術的な進化なのですが……これが意味する現実は非常に過酷です。
30系以前のアルファードで使用していたスペアタイヤやホイールは、40系には物理的に一切装着できません。完全に互換性が喪失しています。
40系のスペアタイヤサイズは「T165/80D17」、ホイール規格は「PCD120/5H」に変更されました。
なお、このPCD120への変更によって、純正ホイールだけでなく社外ホイールやスタッドレスの流用条件も大きく変わっています。
40系でホイール流用を検討している方は、40アルファードのホイール流用!適合サイズとマッチング極意もぜひご覧ください。
これにより、「前の30系からスペアタイヤだけ降ろして、新しい40系に載せ替えよう」と考えていたユーザーの目論見は見事に崩れ去ってしまいました。

40系アルファードの足回り変更と流用不可の注意点【オートパーツらぼ・イメージ】
その結果、市場では40系専用のスペアタイヤに対する需要が突如として爆発しました。
新車時のメーカーオプション価格は14,300円〜25,300円程度であるにもかかわらず、後から欲しがる人が殺到しているため、オークション市場では35,000円から、高騰する時はなんと最高70,000円に迫る異常なプレミアム価格での落札が常態化しています。

40系スペアタイヤの中古市場における価格高騰【オートパーツらぼ・イメージ】
さらに恐ろしいのが、40系において新車時にスペアタイヤをオプション選択しなかった場合、車載ジャッキおよびホイールナットレンチ等の工具類が一切付属しない(完全非搭載)という仕様になっていることです。
つまり、ヤフオクで高いお金を出してスペアタイヤ本体だけを買ってトランクに積んでも、車を持ち上げるジャッキがないから自力で交換できないというトラップが待ち受けているんです。
後付けを検討する方は、必ず40系の重量に耐えうるフロアジャッキと、M14ナットに対応したトルクレンチを自費で別途用意しなければなりません。

40系アルファードのスペアタイヤ未選択時の車載工具非搭載の罠【オートパーツらぼ・イメージ】
ユニバーサルステップと同時装着できない仕様の制限
40系アルファードのオプション選びで、多くのオーナーを最も悩ませているのが、「ユニバーサルステップ」と「スペアタイヤ」の同時装着ができないという構造的なジレンマです。
ユニバーサルステップとは、後席スライドドアの開閉に連動して、地上約220mmの高さに自動でせり出してくる乗降補助ステップのことです。
小さな子供やご高齢のご家族がいる家庭にとっては、乗り降りが劇的に楽になる魔法のような装備ですよね。
しかも、従来の電動ステップが20万円以上したのに対し、40系のユニバーサルステップは電気を使わない「からくり構造」を新開発したことで、左右両側についてたったの66,000円という破格の設定になりました。
「こんなに安くて便利なら、絶対みんな付けるでしょ!」とメーカーも自信満々だったはずです。しかし、実際には「想定より選ぶ人が少ない」という事態が起きています。
その理由こそが、「スペアタイヤを選ぶと、ユニバーサルステップは選べない(逆もまた然り)」という過酷な二者択一のルールなんです。
なぜ同時装着できないのか?物理的に場所がぶつかるわけではありません。
公式な説明では「車両質量の関係(重量制限)」とされています。
限界まで重くなった車体に、重量物であるスペアタイヤ(約10kg〜)とステップ機構の両方を載せると、国が定める重量ランクの境界線を越えてしまい、燃費基準の算定やエコカー減税の適用区分に悪影響が出てしまうため(出典:国土交通省『自動車重量税の特例措置(エコカー減税)について』)、やむを得ず排他仕様になったと推察されています。
そして驚くべきことに、多くの日本のユーザーは、日常の「利便性(ユニバーサルステップ)」よりも、将来の「リセールバリュー(スペアタイヤ)」を優先するという非常に合理的な選択をしました。家族の使い勝手を犠牲にしてでもスペアタイヤを選ぶ人が続出するという、なんとも皮肉な現象が起きているのが今のアルファード界隈のリアルなんです。

ユニバーサルステップとスペアタイヤの選択ジレンマ【オートパーツらぼ・イメージ】
海外輸出とアルファードのスペアタイヤのリセール関係
では、なぜそこまでしてリセールバリューのためにスペアタイヤを選ぶのでしょうか?使うかどうかも分からない予備タイヤに執着する理由は、アルファードの中古車相場を根底から支配している「海外輸出需要」、特にマレーシア市場の特殊なメカニズムにあります。
日本のアルファードやヴェルファイアの中古車は、新車から1年〜3年が経過したタイミングで、その大半がマレーシアを中心とする東南アジアへ輸出されていきます。
現地の富裕層にとってアルファードは絶対的なステータスシンボルであり、3年落ちの車両でも新車価格の89%という驚異的な高残価率を叩き出しています。
このマレーシアへの輸出において、車両にどんなメーカーオプションが付いているかが、買取査定額を数十万円単位で左右します。
| オプション装備名称 | 新車時価格(目安) | リセール残価率(推定) | 輸出市場における評価と背景 |
|---|---|---|---|
| スペアタイヤ | 14,300円 | 約100%〜120% | 海外の劣悪なインフラ環境において実用上の必須装備。低価格でありながら査定へのプラス効果が確実で、ROIは極めて高い。 |
| ユニバーサルステップ | 66,000円 | 約100%〜120% | 国内のファミリー層向けには高い利便性を誇るが、海外バイヤーからは必須条件とはみなされないため、査定の大幅上昇は見込みにくい。 |
| ムーンルーフ | 約132,000円〜 | ほぼ100%以上 | 輸出バイヤーの買い付けにおいて絶対的な条件。これがないと査定額が数十万円下落する致命的要素。 |
※数値データや価格はあくまで一般的な目安です。
相場は常に変動するため、正確な情報や査定額については買取専門店などの公式サイトをご確認ください。
表を見ていただければ分かる通り、海外バイヤーにとって最も重要なのは「ムーンルーフ」です。そして、それに次いで重要視されるのが「スペアタイヤ」なんです。
日本のように、パンクしてもJAFを呼べば数十分で駆けつけてくれるような恵まれたインフラは、海外の新興国にはありません。
さらに、高速道路の規制が緩く、劣悪な路面状況下でハイスピードで走るため、タイヤがバーストするリスクが日本とは比べ物にならないほど高いんです。
そんな過酷な環境下で、パンク修理キットは全くの無用の長物。
物理的に交換できるスペアタイヤが積まれていることが、現地のバイヤーが車を仕入れる際の「必須要件」になりつつあります。たった14,300円の初期投資で、売却時に同額以上のプラス査定が見込める(あるいはマイナス査定を回避できる)わけですから、資産防衛の観点から言えば「付けない理由がない」最強のオプションなんですね。

マレーシア輸出需要とスペアタイヤの査定関係【オートパーツらぼ・イメージ】
ディーラーオプション非選択時の後付け方法と注意点
「そんなにリセールに影響するなんて知らなかった!納車されちゃったけど、今から後付けしたい!」と慌てて行動を起こすオーナーさんも非常に多いです。
しかし、アルファードへのスペアタイヤの後付けは、ネットでタイヤを1本買ってトランクに放り込めばOK、という単純なものではありません。
実際にディーラーに後付けを相談しに行くと、「新車製造時にオプションで選択していなければ、後からの設置は不可能です」と断られてしまうケースが散見されます。
これは物理的に絶対無理というわけではなく、「メーカー推奨の作業手順を逸脱するため、ディーラーとしては責任を持って請け負えない」というニュアンスが強いんですね。
フロアパネルの鉄板の形状自体は共通なので、必要な部品さえ揃えればDIYやカスタム専門業者での施工は可能です。
ただし、適正な後付けを行うためには、以下の部品がすべて必要になります。
- スペアタイヤ本体(タイヤとホイール)
- 車両床下に吊り下げるための専用ブラケットとワイヤー
- 固定用の長ボルト
- 専用の「ラゲージアンダートレイ」
実は、「スペアタイヤ無車用」と「スペアタイヤ付車用」では、トランク床下の樹脂製トレイの形状が全く異なります。
ヤフオクでスペアタイヤ一式を安く落札できたとしても、このトレイを買い忘れる方が後を絶ちません。
完璧に後付けをしようとすると、部品代だけでかなりの出費になることは覚悟しておく必要があります。

アルファードのスペアタイヤ後付けに必要な純正部品【オートパーツらぼ・イメージ】
車内で固定しない簡易積載がもたらす安全上のリスク
トレイの交換やブラケットの取り付けといった手間と出費を惜しんで、「どうせ使わないし、リセール対策のためだけにトランクの隅にただ置いておこう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
一部の中古車販売店でも、そういった簡易積載を勧めてくることがあるようですが、私としては絶対にやめていただきたいと強く警鐘を鳴らします。
スペアタイヤは重量が10キロを超える鉄とゴムの塊です。
これを固定せずに車内に放置するということは、万が一の追突事故や急ブレーキの際に、その塊が猛スピードで車内を飛び交う「凶器(プロジェクタイル)」に変わることを意味します。
サードシートに乗っている大切なご家族の命を直接脅かす、極めて危険な行為です。
さらに、将来の買取査定を見越して後付けしたつもりでも、ボルトでしっかりと固定されていない適当な状態では、プロの査定士から「純正状態を逸脱した不適切な改造・積載」とみなされてしまいます。
期待していたリセールバリューの向上どころか、逆にマイナス査定を受ける可能性すらあります。
リセール価値を確実に担保し、何よりも搭乗者の命を守るためには、正規の固定用穴を利用し、専用のトレイとボルトを用いて「工場出荷状態と同等のマウント処理」を施すことが絶対条件です。
安全に関わる重要なカスタムですので、最終的な判断や施工は信頼できる専門家や整備工場にご相談くださいね。

スペアタイヤの車内放置・簡易積載がもたらす危険性【オートパーツらぼ・イメージ】
まとめ:アルファードのスペアタイヤがもたらす価値

アルファードのスペアタイヤが持つ2つの価値まとめ【オートパーツらぼ・イメージ】
ここまで、アルファードとスペアタイヤを巡る様々な事情について深掘りしてきましたが、いかがだったでしょうか。
単なる「車の予備部品」という枠を超えて、自動車メーカーの環境対策やコスト削減の戦略と、私たちユーザー側の利便性や資産価値への追求が複雑に絡み合う、現代の自動車市場の縮図とも言えるテーマでしたね。
実用面で見れば、重量級のアルファードをパンクやバーストの危機から確実に救い出し、無駄な出費を抑えてくれる「究極の物理的保険」としての価値があります。
そして経済面で見れば、マレーシアなどの海外輸出需要に支えられ、わずか1万円台のオプション費用で将来の買取価格をガッチリと底上げしてくれる、驚異的な「金融商品」としての一面も持っています。
40系へのモデルチェンジによって、ボルト径やPCDが変更されるという世代間の断絶が起き、中古市場の価格が高騰するという混乱も起きていますが、それだけこのスペアタイヤという存在が、アルファードのオーナーにとって重要視されている証拠でもあります。
これから新車を購入される方は、ご自身のライフスタイル(ユニバーサルステップの必要性など)と数年後の売却を見据えた上で、慎重にオプションを選んでいただければと思います。
また、すでに納車されていて後付けを検討されている方は、目先の手軽さや安さに流されず、安全性を第一に考えた適正な取り付けを行ってください。
アルファードの購入から維持、そして数年後の売却という一連のサイクルの中で、スペアタイヤの持つ「守りの価値」と「攻めの価値」を正しく理解し、賢く付き合っていくことが、オーナーの皆さんに最大の利益と安心をもたらすはずです。
この記事が、少しでも皆さんの充実したカーライフのお役に立てれば嬉しいです!

